会社の冷暖の温度設定は何度になっているでしょうか。冷房の設定温度は、仕事の効率を下げたり、体調不良の原因となる場合があります。
また、温度設定だけでなく、湿度も暑さや寒さに影響しています。
快適な職場環境を作るために理想とされる温度や湿度設定、冷房の寒さ対策についてまとめました。
何度になってる?自分の会社の冷房温度は
会社の冷暖房の温度は?
会社勤務の社会人男女357人に、「オフィスの冷房の設定温度が何度になっているか」を聞きました。
■オフィスの冷房の設定温度は!?
- 18度……4人(1.1%)
- 19度……0人(0.0%)
- 20度……4人(1.1%)
- 21度……3人(0.8%)
- 22度……9人(2.5%)
- 23度……13人(3.6%)
- 24度……20人(5.6%)
- 25度……50人(14.0%)
- 26度……55人(15.4%)
- 27度……56人(15.7%)
- 28度……113人(31.7%)
- 29度……2人(0.6%)
- 30度……2人(0.6%)
その他(フリー記入)……26人(7.3%)
最も多いのは「28度」のようです。「18度」「30度」という回答もありましたが、これはちょっと極端過ぎるかも……ですね。
ちなみに平均温度は「26.2度」でした。
温度設定は至難の業
「寒いと思った人が設定温度を上げ、暑いと思った人が今度は下げ、これの繰り返し……」といったことになるのも珍しくないようです。
フロアの広さや、職種、またエアコンの性能なども影響しますから、勤務している全員が「ちょうど良い!」となるのは至難の業ですね。
- 20度以下の設定温度の会社もあれば、30度を設定温度の会社もある
- 26.2度前後の温度設定の会社が多い
- エアコンの性能や職場環境にも設定温度は左右される
設定温度だけに限らず、座っている位置などにより感じる温度は違ってくるかもしれません。人により好みも異なるため、多くの人が働く職場では、全員が納得のいく温度設定を実現するのは難しいかもしれませんね。
仕事の効率を下げていた!?会社の冷房温度が『28度』設定
28度設定は暑い?
28度設定にクレーム噴出!
実は世間では「28度では暑くて仕事の効率が下がる!」というクレームも続出しているといいます。
上記のような理由もあり、単純な28度設定では暑いのは当たり前なんですね。
実際の会社では、PCやプリンターの熱などで、28度設定にしていても室温は30度になっていたりすることも多いのです。
室温を28度以下にするには、実は設定温度はもっと下げないとダメな場合も多々あり、会社の言いなりになっているだけでは体調を壊す危険性もあるので十分に注意して下さい。
室内の温度が仕事の効率を下げる
28度設定は仕事の効率も下げる?
早稲田大学のある実験結果では、オフィスの温度が25度から1度上がるごとに、生産性が1.9%ずつ下がる、というデータが示されています。
数値ではないですが、確かに、「汗ばんで体に書類は張り付く」と言っている人も多いですし、暑くてイライラしている人も多いですね。確かに作業効率は下がりそうな気がします。
本当に作業効率が下がっているのであれば、節電以上の損失になってしまいますね。
- 冷房の設定温度が28度の場合、室内は30度の場合がある
- 室内を28度にするためには、設定温度はそれ以下にしなければいけない
- 室内の温度が25度から1度上がるごとに作業効率も低下する
- 暑いと仕事の効率が下がるという実験結果がある
設定温度イコール実際の温度と考えがちですが、実際は違っているようです。実際の室内の温度は、冷房の設定温度より高くなっていることがあり、職員が暑いと感じて作業に支障が出る場合もあるようです。
約4割が体調不良を起こしてる!会社の冷房温度が原因だった
暑い・寒いと感じる要素
オフィス・ワーカーが、暑い・寒いと感じる要素には6つあると言われています。
① 着衣量(clo値)
② 代謝量(Met値)
③ 空気温度(℃)
④ 放射温度
⑤ 気流
⑥ 湿度
この中でもビル管理上コントロールできるのは、③と⑥です。
社員自身がコントロールできるものは、①のみとなります。
男性と女性では性差により代謝機能に違いがあります。
男性は熱を逃がしても熱をたくさん作れますが、女性は熱を作る能力が低く、熱を逃がさないよう体温調節をします。
そのため男女によって2℃くらいの快適温度の違いが出てきます。
温度差は体調不良の原因?
温度差の大きい場所での頻繁な出入りは体調不良をおこす原因にもなります。
夏場に冷房の効いた場所と効いていない場所の出入りを頻繁にする人では、冷房による体調不良の経験者が38.8%に対して出入りがない人では冷房による体調不良は15.9%と低いことがわかっています。
暑い場所とそうでない場所を頻繁に出入りするという対処法は、より体調を崩しやすくするので、できる限り避ける方がいいでしょう。
特に「温度5℃差」以上の場所の出入りを繰り返すと、自律神経失調症様症状をおこし、めまいや立ちくらみなど、様々な体調不良を引き起こします。
- 衣服の枚数や暑さが体感温度を左右する
- 実際の空気の温度は感じる温度に大きく関係する
- 湿度が体感温度に影響する
- 女性の方が代謝の影響で寒さを感じやすい
- 温度に5度以上の差がある場所を行き来する場合は体調を崩しやすい
外気温と室内の温度差が5度以上ある場所を、頻回に行き来することで、温度差を経験すると体調不良を起こしやすいようです。人の出入りの多い職場は、夏場の冷房の設定温度を高めにしたほうが良いかもしれませんね。
快適な環境には温度だけでなく「湿度」も重要!会社の冷房設定について
湿度で作業能率が低下?
湿度が人間の生活に及ぼす影響は、多岐にわたっています。
湿度は人に「暑い」「寒い」の感覚を生じさせる、ひとつの要素です。
梅雨になり、空気がムシムシして不快なとき、除湿をすると涼しく感じるということは、多くの人が経験しています。
一般的に、湿度は45~60%、気温は25度くらいが理想とされています。
オフィスだけでなく家庭でもパソコンを使う機会が増え、また、コンタクトレンズの使用者も増えている今日この頃。
ドライアイの問題が深刻になっています。
湿度が低すぎると、まばたきの回数が増え、視覚情報が阻害され、作業能率が低下します。
人にとって快適な湿度
人にとって快適な湿度は45%~60%であるといわれていますが、暑くも寒くもない環境では、30%程度の湿度でも、人は乾燥による不快を感じないという実験結果があります。
例えば夏、健康によい室温は27~28℃といわれていますが、この温度設定で冷房しても、あまり涼しく感じられなかったりします。
室温27~28℃の場合、湿度が60%以上あると、涼しいと感じません。
ところが、湿度が50%以下になれば、ほとんどの人が快適に感じるそうです。
逆に、冬場は湿度が10%位になると、なかなか暖かく感じません。ですから、乾燥しがちな冬は、湿度を30%以上に保つように心がけましょう。
引用元-理想的なオフィスの温度と湿度|オフィスレイアウト
- 湿度が高いとムシムシして暑く感じやすい
- 湿度が低いと目が乾燥しやすく、眼精疲労が起きやすい
- 夏場は設定温度より、湿度を下げたほうが涼しく感じられる
- 冬場は湿度を高くすると温かく感じる
湿度は夏の暑さに大きく影響するだけでなく、冬の温かさにも関係するようです。温度の設定の上げ下げだけでは状況が改善されないといった時には、一定の湿度を保つことにも注意を向けるようにしましょう。
自分で冷房対策をしよう!会社の温度が低すぎる…冷えがつらい
防寒対策
冷房の温度が自由に変えられないなら、防寒するしかありません。
きっとみなさん、ひざかけ、カーディガン等はすでに使われているのではないでしょうか。
方法としては、とにかく冷やさない方法をたくさん実践するしかありません。
社内にいるときには、レッグウォーマーや靴下をもう一枚重ねばきする方法もあります。
冷えがきつい時には、カイロを使うのもいいです。
貼るなら足首の内くるぶしから少し上あたりをカバーするようにすると、足先からふくらはぎにかけて効果的に温めることができます。
でも夏はあんまりドラッグストアで安売りしていませんから、冬の間に買いだめは必要でしょう。
そこで、もしオフィスでお湯が自由に使えるなら、湯たんぽがとても便利です。
最近はおしゃれなデザイン、カバーのものがたくさん出ています。
カバーやタオルでくるみ、ひざの上におけば体の中心が温められます。足元にダンボールの箱を置き、その中に湯たんぽを入れて、足を湯たんぽの上においてひざかけをかければ、仕事中も冷えのつらさを感じずに済みますね。
飲み物にも注意
夏は水分補給が大切ですが、冷えた飲み物は飲まないようにするのも大切です。
常温のものか、ホットドリンクを飲みましょう。生姜やシナモンが入った紅茶は内臓を温めるので冷え対策には効果的です。
- 冷房の寒さをしのぐ、服やひざ掛けなどのグッズを準備する
- 寒い時には足首を温めると良い
- カイロやゆたんぽなどデザインもアレンジされたものが発売されている
- 夏場でも温かい飲み物で体を冷やさないようにする
冷えを感じやすい人なら冷房対策として、防寒着や防寒グッズは当然準備していることでしょう。ですが、飲み物にも注意しているでしょうか。冷たい飲み物を飲む習慣があると、慢性的に体を冷やしている恐れがあるので注意しましょう。