パソコン関連の「情報」という授業は、高校で必修科目となっています。
いつの間にか必履修科目となっていた「情報」。この「情報」の授業は、一体何を学んでいるのでしょうか。
高校の必修教科である「情報」の授業内容や問題点を調べてみました。
高校で必修の授業、「情報」って知ってる?
「情報」の授業とは
皆さん、高校の必履修教科である「情報」をご存知でしょうか?
えっ、高校で、パソコンを教えるの!?
ああ、知ってる、知ってる。エクセルとか、パワポとかやるんだよねいろんな声が聞こえてきそうです。
高校で「情報」という授業があることを知らない人は、多いと思います。
知っている人でも、その内容や目的については、あまりご存知無いのではないでしょうか。
「情報A」「情報B」「情報C」
若い方は、「情報A」とか「情報B」「情報C」という科目を受けたことがあると思います。
情報B?Aだけじゃないの!
あれって、BとかCもあったんだ。Aの後にやるのかな。若い方、実際に授業を受けた方でも、そんな認識では無いでしょうか。
(少なくとも、うちの娘は、そんな反応でした)
- 高校の授業で「情報」が必履修科目
- 「情報」はExcelやPowerPoint等を行う
- 「情報A」「情報B」「情報C」に分かれている
- 内容や目的を分かっていない人が多い
高校の授業で「情報」が必修科目だとは驚きです。調べてみると2003年から必修になっているようですが、先生の問題もお金の問題も気になるところです。しかし、時代の流れからすれば必修になるのは当然なことだと思います。
高校の「情報」はどんな授業なの?
「情報A」「情報B」「情報C」から選択する
○実習メーンの教育
「情報」の授業は、普通高校では、「情報A」「情報B」「情報C」の3教科からの選択制。履修の時期や方法は各地方や高校に任されており、学校によっては、教員の資格・能力や設備の関係で「情報B」「情報C」が履修出来ないところもあるが、基本的には生徒本人の希望で履修科目を決める。
「情報A」とは
「情報A」は、3教科のうち最も基礎的なメニューで、パソコンやインターネットを使っての実習がメイン。基礎的な情報活用能力の習得を目的としている。実教出版の発行する「情報A」の教科書を例に取ると、検索エンジンの使い方やコンピューターの仕組み、簡単なHTML言語などを紹介するほか、表計算ソフトの画面の説明から基本的な関数の使い方、プレゼンテーションソフトを使ったプレゼン用資料の作成なども別枠で扱うなど、日常生活で必要なスキルを総括的に紹介している。
「情報A」の教科書では、プレゼンテーションソフトの使い方を紹介するページも
一方で、「ネットワーク利用の心がまえ」などの章を設け、「Webページ上には……誤った情報やかたよった情報も含まれている可能性がある」などと、情報受信者の判断力の大切さを教えるほか、クレジットカード番号など個人情報保護の必要性、著作権などの知的所有権保護の重要性、アンチウイルスソフトやファイアーウォールを例に挙げてのセキュリティの概念の説明など、ネットワークを使いこなすための”情報リテラシー”について説いている。
「情報B」「情報C」とは
「情報B」「情報C」では、内容構成は似ているものの、さらに高度な内容を扱うようになっており、特に「情報C」では、ネットワークに関する内容が中心になってくる。同社の教科書「情報C」を見ると、インターネットの仕組みやセキュリティのあらまし、転送速度やデータ転送のコツ、ネットワーク上でのマナーにも触れている。また、「情報A」で取り扱っていた、ソフトの使用方法についても詳細になっており、プレゼンテーションソフトを使って、学校紹介などひとつの作品を作成する手順なども扱っている。
このほか、「ビジネスにおける情報化」などのテーマも取り扱っており、POS(販売時点情報管理)システムやFA(ファクトリーオートメーション)、CADシステムなど、社会の中でIT技術がどのように使われているかも解説している。
- 「情報」の授業は、「情報A」「情報B」「情報C」の中から選択する
- 「情報A」は、日常生活で使うパソコンについての総括的なことを学ぶ
- 「情報B」「情報C」は、さらに高度なものを学ぶ
- 「情報C」では、インターネットの仕組みまで触れていく
今後、どんどん難しく高度な内容になっていくのだと思います。そうでもしなければ、社会に出て即戦力にはならないのではないでしょうか。今後パソコンが衰退するとは思えません。
高校の情報の授業で使う教科書を見た主婦の感想
進んでいる「情報」の授業
この前、某公立高校にお邪魔する機会があって、そこで、来年度用の「情報」の教科書見本を見せてもらったのですが、中を見てビックリ!アラフォー世代の私にとって馴染みのない言葉が、これでもか!ってくらいビッシリ書かれています。
「なにこれ?! 今の高校生ってこんなこと習ってんの!!」
「てか、これ知ってんのって常識のレベル?!」ページを見ながらそんなことを思わず発してしまった私ですが、いやぁ、情報の教科書を見て驚くのなんのって!
まだ小学生しか育てていない私にとって、イマドキの高校生が「情報」の時間にどんなことを勉強しているかなんて知る由もないのは当然ですが、それでも、自分が高校生の時には習っていなかった教科というのもあり、私の驚きようったらありません。
専門用語がずらり
で、情報の教科書を見ていて、何が驚くかって、出てくる用語の多さと扱っている内容!!そして、教科書なのに今風のことが書かれてあるように感じる違和感!!(←このあたり、年齢により個人差がありそうですが・・・)
個人情報、コミュニケーション、フィッシング、チェーンメール、メディアリテラシー、RGB、HTML、CSS、ネットワーク、Wikiシステム、ファイル形式、SNS、知的財産権、出会い系サイト規制法、不正アクセス禁止法、ウィルス、セキュリティポリシー、ユーザーインタフェース、ユーザービリティ、GPS、電子マネー、RFID、ユビキタス、検索、データマイニング、デジタルデバイド、テクノストレス
・・・・という具合に、ざっと教科書をめくっただけでも、まぁ、出るわ、出るわ、ネットや新聞でしか見ないような言葉の数々。こういう言葉って、分かる人には簡単なものなんでしょうけど、主婦の私からすると、これらのような言葉や内容が、“高校生が習うべきもの”として位置づけられているのが、なんともショック。自分の知らないことが、あまりにも多いじゃないですか・・・。
- 高校の「情報」の教科書は、高度なことまで載っている
- 20年には考えられないような内容が当たり前になっている
私もアラフォーですが、子供の頃はパソコンなんてなかったですからね。時代の変化と共に、「情報」の授業はさらに必要になっていくと思います。パソコンが使えないなんて、今の時代あり得ません。
高校の情報の授業の問題点とは?
キーボードの苦行
皆さんは、おそらく、キーボードなど楽々と使いこなしていることだろう。ところが、思いだしていただきたい。生まれてはじめて、キーボードに向かったとき、いきなり自由自在に入力できただろうか。「えーと、Aはどこだっけ」と独り言をいいながら、一文字入力するにも四苦八苦だったことだろう。
それが、(必要に迫られて?)教えられたりブラインドタッチ・ゲームを使ったりして、ホームポジションを知り、なによりも慣れることで、すこしずつマスターしていったに違いない。それも、一日や二日でないだろう。人によって差があるが、それなりの期間、キーボードの前で苦しんだ経験は、誰もが持っていると思う。
「情報」の授業はつまらない
その苦行を、パソコンに触れたこともない高校生が、授業で強いられるのである。けっして楽しい授業ではないだろう。一方では慣れた生徒が入力し終えているのに、一文字ずつ入力させられるのだから、多感な高校生にとっては屈辱的ですらあるかもしれない。その結果「パソコンなんか嫌い」「情報科はいらない」となるのも自然だろう。
実習と称して、入力の練習をしているようでは、ただパソコン嫌いを増殖させるだけだろう。
引用元-情報教育という新しい格差の現実(2)〜情報の授業が退屈と苦行の分化を強いる – ビジネススタイル – nikkei BPnet
- みんな、必要に迫られてキーボードをマスターしてきた
- 授業で強いられるのは楽しいことではない
- 出来不出来の差があり、出来ない人はつまらなくなってしまう
私もキーボードは必要に迫られて必死に覚えました。興味がなければ、本当につまらないでしょうね。かたや、小学生でもキーボードを使いこなせる子たちがいるのも事実。教える方も大変ですね。
高校必修「情報」、授業を受け持つ教員の3割が専門外
専門外の教師が教えることも
高校の必修教科「情報」を担当している全国の約6000人の教員のうち、3割が専門の免許を持っていないことが文部科学省への取材で分かった。こうした教員は専門外の教科を教えることを例外的に認める免許を利用しているとみられる。情報教育に詳しい電気通信大学の中山泰一准教授(情報工学)は「教育現場が情報科を軽視している表れだ。このままでは情報分野で諸外国に後れをとる」と指摘している。
文科省は、次期学習指導要領で情報の学習内容の見直しが始まるのに合わせ、指導体制の現状を把握するために初めて調査。今年5月時点で、情報を担当する教員約6000人のうち5割が他教科と兼務していることも分かった。文科省情報教育課は「他教科に比べて専門外の教員が多いことがデータではっきりした。解消策を検討する必要がある」としている。
「情報」の教師の実態
例外的に認める免許には、各都道府県教委が発行する3年有効の「臨時免許状」(臨免)と1年有効の「免許外教科担任」(免外)がある。臨免は主に、普通免許状を持っている人を採用できず、これを補うため別の検定を実施して採用する場合に出す。免外は校内の他教科の教員に兼務で教えてもらうために発行する。
中山准教授らが独自に2013年度の臨免と免外を合わせた発行件数を調べたところ、情報が1736件(臨免376件、免外1360件)で最も多く、次に多い公民578件の3倍超だった。以下、外国語451件▽数学370件▽地理歴史355件−−など。
情報の臨免と免外の発行は地方で多い傾向にあり、臨免の最多は栃木県の81件、免外の最多は長野県の165件だった。
- 高校の必修の「情報」は、3割の教師が無免許
- 「情報」が諸外国より遅れを取っている
- 早急な対策が必要
「情報」の授業が必修になったのは、2003年からだそうです。新しい教科なので、先生が間に合わないというのが実情なのでしょう。これからは専門の先生が増えてくるはず。パソコンはこれから更に切り離せなくなるはずですので、どんどん低年齢から必修になるのではないでしょうか。