疲労物質として有名な「乳酸」と腸内でよい働きをする「乳酸菌」、同じ乳酸ですが、全く関係がありませんでした。
ここではそれぞれの働きを元に、乳酸と乳酸菌の違いについてまとめています。
実は乳酸は悪者ではないので、これを読んで認識を変えてあげてくださいね。
Q、どういう関係にある?『乳酸』と『乳酸菌』
乳酸と乳酸菌の関係とは?
乳酸とは激しい筋肉運動などによって生ずる有機酸でそれが筋肉に溜まると「疲れ」が生ずると聞きましたが、乳酸菌飲料の乳酸菌とはどういう関係にあるのでしょうか?
いいもの?悪いもの?
乳酸菌は乳酸を作る菌ということはわかるのですが、乳酸菌は体にいいとされてますよね?
いい、悪いのバランスがよくわかりません。どなたかご教授願います。
- 乳酸というのは激しい運動によって生ずる有機酸で、筋肉に溜まると疲れが生ずると聞いた
- 乳酸菌は乳酸を作る菌だと思うが、乳酸菌は体にいいはずである
- 良い悪いとは何か
乳酸菌は腸の働きをサポートするいいもの、乳酸は疲れを感じさせる悪いものというイメージがありますが、どちらも同じ「乳酸」ですよね。なかなか振れ幅の大きなもののようですが、どういう関係なのでしょうか。
A、関係について。『乳酸』と『乳酸菌』は…
乳酸が体に悪いわけではない
乳酸菌は「腸内」で乳酸を出して、悪玉菌を弱らせます。
筋肉に出すわけではありません。筋肉内にできる乳酸は運動エネルギーを生み出す際に結果的に発生してしまうもので、「溜まる」事によって疲れを感じ、乳酸そのものが身体に悪いわけではありません。
どんなものも時と場合(あるいは場所)によって、有益であったりジャマなものであったりするって事ですね。
乳酸と疲労は無関係
人間の体内でも糖質の分解が行われて乳酸が作られますが、乳酸は疲労と関係が無いと最近では言われています。
ネットやマスコミなんかでは未だに疲労物質と言っていますが、古い情報ですね。
大学の教授なんていう地位にある人でも知らない人がいたりするから困るわけですが。
糖質の分解が多くなるのは息切れするくらい激しい運動をする時か、食事の最中や直後です。
糖質を含む食品を摂取した後も乳酸値はトップ選手がマラソンをしているくらいの乳酸値となります。
しかし、上昇した乳酸値は何もしていないでいれば30分もすれば通常値に戻ります。
翌日まで残るとかいうのはウソですね。ということで、乳酸菌を摂取しようと乳酸を摂取しようと疲れやすいということには関係ありません。
なお、乳酸を摂取すると運動の持続時間が長くなるという研究データもあります。
- 乳酸菌は腸内で乳酸を出し、筋肉に出すわけでない
- 筋肉内にできる乳酸というものは、運動エネルギーを生み出す際に結果的に発生してしまい疲れを感じさせるものではあるが、乳酸そのものが身体に悪いわけではない
- 糖質の分解が行われて乳酸が作られるが、そもそも乳酸は疲労とは関係がないことが最近分かった
以前正しいとされていたことが実は非常識であったということはよくありますが、そもそも乳酸と疲労が関係ないというのは驚きですね。幼い頃は「運動前に乳酸菌をとってはいけない」など言われたこともありますが、あれも無意味だったのでしょうかね。
何か関係があるのでしょうか?『乳酸菌』と疲労物質の『乳酸』について
乳酸と乳酸菌のそれぞれの働き
乳酸菌は摂取されると腸内で乳酸を作り、悪玉菌の苦手な酸性の環境を作る事で知られていますが、トレーニングをおこなった際に疲労物質として発生する乳酸は、ヨーグルトなどに含まれている乳酸菌と何か関係性があるのでしょうか?
摂取して体内に取り込んだ乳酸菌に含まれる乳酸は、胃で分解され腸内で善玉菌のエネルギー源として働いてくれ、善玉菌の増殖を促進したり腸内にあるパイエル板という免疫組織を刺激し、免疫力を高めてウイルスに負けない体を作ってくれたりと体に良い働きをしてくれたり、老化の防止や生活習慣病の改善、癌予防などと様々な効果を期待することができます。
これに対してトレーニングによって溜まってしまう乳酸は、力を出す際にグリコーゲンやブドウ糖などのエネルギー源が分解されてしまう際に発生してし、この時に乳酸は老廃物として溜まってしまい、代謝機能が異常を起こしてしまうことで疲れを感じてしまいます。
その結果、代謝機能が異常を起こしているので当然ですが、細胞に必要な酸素の吸収が困難になり不足した状態になるので、筋肉痛などの原因となります。
乳酸と乳酸菌は別物
この様な事から体内に溜まった乳酸と乳酸菌摂取により生成された乳酸は、働きも性質も全く違った別物で、乳酸菌との関係性はないということができるでしょう。しかし近年では、体内に溜まった乳酸は疲労物質ではないとも言われており、トレーニング中の乳酸は糖などに変化したりして運動エネルギーとして働く事が分ってきました。
また乳酸は代謝機能に異常を起こすどころか、代謝機能を高めて、体内の成長ホルモンを分泌していることも分ってきたので、疲労物質として扱われなくなっているのが現状で、働きは違っても乳酸菌による乳酸と同じように体に良い働きをもたらしてくれる様です。
話がそれてしまいましたが、口から摂取した乳酸菌が疲労物質を生成してしまうことは有りませんし、動物実験でも実証されていますので、乳酸菌は毎日しっかりと摂取するようにすると良いでしょう。
- 口から摂取して体内に取り込んだ乳酸菌に含まれている乳酸は、胃で分解され、腸内で善玉菌のエネルギー源として働くことになる
- トレーニングによって溜まった乳酸というのは、グリコーゲンやブドウ糖などのエネルギー源が分解されてしまう時に発生し、乳酸が老廃物として溜まってしまうことで代謝機能が異常を起こし、結果疲れを感じてしまう
- よって乳酸と乳酸菌は、働きも性質も全く異なるもので関係がないし、乳酸も体に良い働きをもたらすこともある
乳酸について、疲れを感じさせるから悪いものであると思い込んでいましたが、簡単に良い悪いを決められるものではないのですね。乳酸のせいで疲れを感じるということも誤りであることがわかってきたようですし、認識を改める必要がありそうですね。
疲労物質の関係について|乳酸と乳酸菌飲料
乳酸と乳酸菌飲料
今までは、乳酸が蓄積されることで、疲労物質がたまるとされていたわけですが、現在は、疲労回復を手助けするための物質であることがわかっています。
今までならば、乳酸菌飲料を飲むことは、疲労物質を飲むということになっていたわけです。
しかし、現在は、乳酸や乳酸菌飲料を飲むことは、身体にも健康にもいいことが証明されているのです。
乳酸と乳酸菌は異なる
基本的には、乳酸も乳酸菌飲料も、実は全く違うものです。乳酸菌とは糖類をえさにして乳酸に変える細菌の総称で、菌という名の通り生き物ですが、乳酸は生き物ではありません。
乳酸菌を飲むからといって、乳酸が増えるというわけではありません。
引用元-乳酸 -筋肉アカデミー-
- 乳酸は疲労回復を手助けするための物質であることがわかってきた
- 現在は乳酸や乳酸菌飲料を飲むことで身体にも健康にもいい影響を与えることが証明されている
- 乳酸菌とは糖類をえさにして乳酸に変える細菌の総称で生き物であるが、乳酸は生き物ではないというように全く違うものである
小学校の時、給食に乳酸菌飲料が出、担任が「午後から体育だから本当は飲まない方がいい。しんどくなる」とブツブツ言っていたことを思い出しました。私は乳酸菌飲料が大好きだったので、疲れるのは嫌だと思いつつ飲みほしたことを覚えています。
体内での働きについて|食べ物で摂った『乳酸菌』
乳酸菌の2つの働き
ヨーグルトや乳酸菌飲料など、食べ物で摂った乳酸菌は、体内に入ると、2つの働きに分けることが出来ます。
ひとつは”生きたまま”腸まで届くもの、もうひとつが胃酸などの影響で死滅してしまう菌です。
生きて腸に届いた乳酸菌は、腸内に定住している善玉菌が増えるのを促す一方で、みずから悪玉菌を退治する働きをします。この乳酸菌のバックアップを得た善玉菌は、パワー全開。病原菌を撃退し、コレステロールの上昇を抑えるなど、多方面に活躍し、美肌と健康を押し進めてくれます。
もう一つの働きは、途中で死滅してしまった乳酸菌も決してムダ死にでなく、これらは食物繊維と同じように、退治された悪玉菌を吸着して外へと排出するのにひと役買い、腸内をすっきりキレイにしてくれるのに役立ちます。
乳酸にも乳酸菌にも良い働きが
また、最近の研究では、乳酸菌には虫歯を予防するはたらきをはじめ、アトピーや花粉症などのアレルギーを抑えるはたらきがあることもわかってきています。
さらに乳酸菌がつくる「乳酸」には、カルシウムの吸収を促すはたらきがあるため、一緒に摂れば骨も丈夫になります。 つまり乳酸菌がカルシウムをサポートしているのです。
引用元-乳酸菌と腸内細菌
- 生きて腸に届く乳酸菌は、腸内に定住している善玉菌が増えるのを促し、悪玉菌を退治する働きもする
- 乳酸菌の力を得て、善玉菌は病原菌を撃退し、コレステロールの上昇を抑える
- 胃酸などの影響で死滅してしまう菌も食物繊維のように、退治された悪玉菌を吸着して外へと排出するので腸内を綺麗にする
- 乳酸菌は虫歯を予防したり、アトピーや花粉症などのアレルギーを抑えたりする
- 乳酸はカルシウムの吸収を促す働きを持ち、骨を丈夫にする
以前乳酸菌のせいで虫歯になるから、ヨーグルトを食べたらよく歯を磨くように言われた記憶がありますが、どうも逆のようですね。乳酸菌が虫歯を予防してくれるようです。アレルギーに効いたり、便秘を改善したりと人体にとってかなり必要な働きをしてくれますね。
『乳酸』って?その役割とは…
乳酸が疲労を感じさせるわけではない
運動をする(筋肉を動かす)時に、蓄積されていた糖分(グルコース)が分解されると同時に乳酸も作り出されます。これが体内に溜まる事で筋肉のpH値が酸性になってしまい、筋肉の動作を邪魔したり、疲労が感じられるものだと信じられていました。
ですが、近年の研究では乳酸イコール疲労を感じさせる物質という事ではなく、LT(乳酸閾値)と呼ばれる乳酸を分解する限界値を超えたときに、疲労を感じたり筋肉の動作を妨げる働きがあるという研究がなされ、
つまり、ある程度までは乳酸がまたグリコーゲンに分解されて、エネルギー資源としてリサイクルされているという説もあるようです。
乳酸の役割
乳酸は実は疲労を感じさせているのではなく、疲労を解消しようとする働きがあるのではないかと言われています。少し古い研究でわかっていたのが、“運動をした後に血液中に増えているのが乳酸”という事だけでした。
この乳酸が実際に疲労を感じさせる原因となっているかどうかがわかった訳ではなかったのです。
ところがこの事実から勝手に“疲労の原因は乳酸だ”という風説が一人歩きをして“乳酸は疲労を感じさせる物質だ”としての認識が広まってしまったのです。
本当は今でも乳酸が直接疲労を感じさせる原因となっているかどうかは、わかっていません。
- 近年の研究では乳酸が疲労を感じさせる物質なのではなく、LT(乳酸閾値)という乳酸を分解する限界値を超えたときに、疲労を感じたり筋肉の動作を妨げる働きがあるということがわかった
- ある程度までは乳酸がまたグリコーゲンに分解されて、エネルギー源として再利用されているという考え方もある
- 乳酸には疲労を解消しようとする働きもあることがわかってきたが、本当はそもそも乳酸が直接疲労を感じさせる要因なのかは不明なままである
学校の教科書にも、乳酸が疲労物質であることが書かれていたように記憶しています。実は不確かなことが本当であるかのように広まっていったのですね。それはそれで問題ではないのかと思いますが、それにしても乳酸はずいぶん濡れ衣を着せられていましたね。