アメリカの新聞の特徴についてまとめました。
アメリカではどのような新聞が読まれているのでしょうか。全国紙は一紙しかなく、どうも地方紙の方が優勢のようです。
日本と比較するとその違いが浮き彫りになって、面白いですよ。
全国紙は一紙のみ!【アメリカの新聞の特徴とは】
アメリカの全国紙
日本には全国紙が数紙存在しますが、アメリカの全国紙は「USA TODAY」一紙のみです。
テレビやタウン誌による情報が飽和状態に達しているのに、全米紙が一社のみと言うのは不思議です。またアメリカには夕刊がなく、一日一回のみの発行です。
通常、堅い新聞(NY Timesなど)が朝刊紙として発行され、大衆紙と呼ばれるスポーツ新聞(Daily News)やタブロイド紙(NY Post)が夕刊紙として発行されます。
アメリカの新聞の特徴
アメリカの新聞の特徴として、一冊(?)の新聞の量が半端ではないほど多い事にあります。
例えば「NY Times」は平日で厚さ1cm以上、クリスマスやサンクスギビングデーと言った祝日や年末になると厚さは3cmを超え、重さも相当です。デリバリー(配達)の人が可哀相で、この量の多さはアメリカ人のジョークとしてもよく語られます。
全国紙は人気があるの?
National Paperの「USA TODAY」ですが、ここNYに至っては特に愛読されているようには見えません。とりわけビジネスマンには「NY Times」の方がポピュラーです。
ただNY以外の地域やビジネスマン以外にはやはり人気が高いようです。
「USA TODAY」の特徴はカラーを多用し、馴れると見やすい所にあるようです。
- アメリカの全国紙は「USA TODAY」一紙のみである
- アメリカには夕刊がなく、一日一回のみの発行である
- 紙面の量が非常に多く分厚い
- 「USA TODAY」はニューヨークではそこまで人気があるようには見えない
- 「USA TODAY」はカラーを多用している
広いアメリカ全土で全国紙が一紙だけとは驚きですね。それぞれの州が出しているから必要ないのでしょうか。配達の人がかわいそうなくらい分厚い紙面の量というのも非常に気になりますね。
『New York Times』の特徴について|日曜日版は分厚い!アメリカの新聞
New York Timesとはどんな新聞?
アメリカに日本のような全国紙はありません。
ですがこの新聞がアメリカは勿論、世界中のマスメディアが注目する新聞である事に間違いはありません。
だからと言ってお堅い内容ばかりの新聞でないのが嬉しい所。
アメリカ全国のニュースは勿論、ニューヨークの微笑ましいローカルニュース。
日曜版には不動産の賃貸・売買情報、ブロードウェイの新作情報、グルメ情報等々。
この日曜版は電話帳くらいの厚さで、女性が持つには一苦労です。
ニューヨーカーの読み方
ですが、この新聞を抱えて日曜日の午前中をカフェで過ごすのがニューヨーカー流。
日曜日のスターバックスには、そんな人達で一杯です。スターバックスになぜソファーがあるんだろう?と思っていた私ですがニューヨークで、その謎が解けた気がしました。
- New York Timesは世界中から注目されている
- 堅い内容のみならずローカルニュースやグルメ情報なども掲載されており、日曜版は非常に分厚い
- 日曜版をスターバックスコーヒーで読む人が多い
スターバックスに長居する人が多いらしいということは聞いたことがありましたが、ソファで新聞を読む人が多かったんですね。堅いニュースから柔らかい情報まで、さまざまなコンテンツがあってかなり読みごたえがありそうですね。
地方紙の方が圧倒的に多い!【アメリカの新聞の特徴とは】
全国紙よりも地方紙
さて、アメリカではどこに行ってもその街で発行している新聞というものが必ずあります。そして、一般に流通している新聞はいわゆる全国紙よりも街で発行する地方紙のほうが圧倒的に多いのです。
僕の住んでいたペンシルバニア州ピッツバーグ市には現在Pittsburgh Post-GazetteとPittsburgh Tribune-Reviewという二つの地方紙があります。
もちろん、USAトゥデーやニューヨークタイムズも売っていますが、ピッツバーグ市民が一般に購読するのはこの二つの地方紙のどちらかです。
むしろ、アメリカ人にとって全国紙は併読紙としての性格が強いようです。
地方紙はその都市限定
ピッツバーグに限らず、どの街にも地方紙があり、大都市になればその数も増えていきます。ただし、その都市から一歩外に出てしまえばその地方紙は購読できなくなります。
たとえば、テキサス州ダラスでPittsburgh Post-Gazetteを読むことはできないのです。アメリカでは地方紙文化が定着しているといっていいでしょう。
これはなぜでしょう。もちろん、地方紙が掲載するニュースは地元のものがメーンですから、そこに住む市民が読むのは当然のことでしょう。地方紙がここまで地元に根付いている理由はそれだけではないでしょう。
- アメリカ人は地方紙を購読する人が圧倒的に多く、全国紙は併読紙という扱いである
- 地方紙はその都市でしか購読できない
- アメリカでは地方紙文化が定着している
地方紙がそこまで根付いているということを知りませんでした。しかもその都市でしか読めないとなるとますます興味が出てきますね。旅行で訪れたら地方紙をお土産にしても面白いかもしれません。
フリーペーパーの種類をご紹介☆アメリカの新聞
フリーペーパーもたくさん発行されている
日系も合わせるとかなりの数になると思います。
これだけ多くの日本人がいるのでフリーペーパーの種類も結構あります。
日本語で書かれているフリーペーパー
僕が確認できているものだけで日本語で書かれているものは8種類。
■週刊NY生活
■Weekly NYジャピオン
■NewYork Biz
■DailySun
■よみタイム
■U.S. Front Line
■METROPAGES
■企業概況ニュース
- フリーペーパーはかなりの数が発行されている
- 日本人が多いので日系のフリーペーパーも多い
- 日本語で書かれているものは8種類以上ある
フリーペーパーってつい読んでしまいますが、日本人としては日本語で書かれたフリーペーパーがたくさんあるというのは嬉しいですね。旅行でも心強く感じます。それだけたくさんの日本人がアメリカにいるということですよね。
違いについて|アメリカの新聞の方が日本の新聞より本に近い
本に近い?
アメリカの新聞の方が、日本の新聞より本に近い気がします。
図に表すと、こんな感じでしょうか?本>>>アメリカの新聞>>>日本の新聞>>>>>>>>>テレビ
日本の新聞よりも解説が丁寧
私は新聞記事が個々の事件を扱って、それぞれの事件の関連性が見えなくなるのを苦手に感じているのですが、
ウォールストリート・ジャーナル日本版を含むアメリカの新聞は、日本の新聞よりも親切に、事件の背景や他との関連性を解説してくれて好ましい。
- アメリカの新聞は本に近い
- 日本の新聞はどちらかと言えばテレビ寄りである
- アメリカの新聞の方が事件の背景や関連性を解説している
新聞と言えばそれぞれの事件を個別に書いているので、大まかな流れしかつかめず、浅く知識を得るというイメージでしたが、アメリカの新聞はもう少し丁寧に解説してくれているみたいですね。丁寧なのはありがたいですね。
発行部数の少なさ!アメリカの新聞との違い
発行部数のランキング表
■アメリカの新聞発行部数ランキング 2011年 ABC(部数公査機構)
1 ウォール・ストリート・ジャーナル 211.8万部
2 USAトゥデイ 182.9万部
3 ニューヨーク・タイムズ 91.6万部
4 ロサンゼルス・タイムズ 60.5万部
5 サンノゼ・マーキュリーニュース 57.8万部
6 ワシントン・ポスト 55.1万部
7 デイリーニューズ 53.1万部
8 ニューヨーク・ポスト 52.3万部
9 シカゴ・トリビューン 43.7万部
10 シカゴ・サンタイムズ 41.9万部
アメリカの新聞は発行部数が少ない
日本の方が世界から見ると変わっているのですが、日本と異なる大きな特徴としては、部数の少なさです。世界の新聞発行部数ランキングで出ていた日本の新聞では、中日新聞が最後で世界9位、日本5位にあたる280万部。
アメリカは1位のウォール・ストリート・ジャーナルですらこれに満たない数字です。2位、3位となるとさらにどんどん数字を落としていますので、もっと勝負になりません。
日本の新聞が発行部数が多い理由
理由は複数ありますが、一つは日本の識字率の高さ、教育レベルの高さです。教育レベルというのは上位層ではなく、下位層のレベルの高さですね。
上位と下位のレベルの差が少なく中央にまとまっていて、落ちこぼれが少ないのです。
この点は世界に誇って良い日本の良さなのですが、ことマスコミに関しては海外を持ち上げて日本を叩く傾向が強く、新聞を読んでいることはあまり自慢したがらずにむしろ馬鹿にする人が多いです。それこそ反日じゃない?と思うんですが…。
とりあえず、日本の1位であり世界の1位である読売新聞の数字を比較すると、日本人がどれだけ新聞を読んでいるかよくわかります。(発行部数を水増しする押し紙がなければの数字ですが)
日本 人口 1億2800万人 1位 読売新聞 1000万部
アメリカ 人口 3億1400万人 1位 ウォール・ストリート・ジャーナル 212万部アメリカは日本の2.5倍の人がいるのに、1位の部数は5分の1程度です。圧倒的に日本人の方が新聞を読んでいるように見えます。
確かに日本人で字が読めない人というのは聞いたことがないですね。それが新聞の発行部数に影響していたんですね。アメリカの方が新聞を読んでいるイメージを勝手に抱いていましたが、人口に対する比率から見るとアメリカ人はあまり新聞を読んでいないということになりますね。